私の友人に、名古屋のガソリンスタンドの経営者がいる。この難しい時代にもかかわらず高収益をあげている中堅企業の社長だが、彼によると、ここ数年でアルバイトの比率が従来の三割から七割に増え、正社員と完全に逆転してしまったそうである。彼が言うには、同じガソリンスタンドの経営者のなかにも、「ウチは親の代から正社員しか雇わない」という経営方針を貫いていた企業もあったとのことである。結果は言うまでもないであろう。
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そうでなくとも激しい競争に敗れ、その企業は倒産して消えていったそうである。こうした例をあげるまでもなく、現在の制度が続く限り、非正規雇用に依存した経営は、経営者の立場からはノーマルな態度であると言えよう。しかし、そのことが他方では、若年労働者の就業選択の幅を大きく制約している。硬直化した制度が、若年層という新規参入者の自由な就業を阻害している。彼らに与えられる職業は、劣悪な雇用条件を強いるものである。そこでは、自らを磨いて、将来への展望をひらくことも許されない。こうした制度を変えない限り、若年雇用の不安定化、そしてミスマッチによる構造的失業率の上昇はなくならないと考えられる。