日本の企業の定年制の歴史

2011.11.24

日本の企業の定年制の歴史をひもといて見ると、それは明治三〇年代にまで遡る。財閥系の大企業で五五歳を定年と定めたという記録がある。しかしこの頃の日本は、人々の平均寿命は五〇歳にまで達していない社会だったのである。つまり、企業に五五歳まで勤め上げるというのは非常に珍しい例で、古稀の祝いと同じように赤飯を炊いて祝い、企業は永年勤続者として表彰したのである。定年制の現実的な意味がガラッと変わってしまったのは第二次大戦後である。

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第二次大戦直後の日本人の男子の平均寿命は五一歳だった。ところが一九五〇年代から六〇年代の二〇年間に平均寿命は男女ともに飛躍的に伸びて、一九六〇年代末には男子は七〇歳を超えた。いいかえれば日本人はこの二〇年間に事実上全く年齢をとらなかったといっても良いような社会的変化を経験したのである。その結果、かつては永年の生存と勤続の表彰としての意味を持っていた定年が、まだ働ける人々にやめてもらう一種の賊首のような意味を持つようになってしまったのである。





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