国際比較すると日本は正社員不足

2011.12.02

金融危機が深刻化した場合、正社員リストラ(何らかの手段でクビにすること)にまで踏み込む企業が多発するだろうか。業種や抱える人員に応じて事情が異なるため、なんとも予想できない部分があるが、ここ数年間は正社員の採用を控え、非正社員を増やしてきたことから考えて、正社員を過剰に抱えている企業は少ないと思われる。実際、国際比較で見ても、日本企業は経済成長の果実を内部留保などに回しており、雇用や賃金には回していない。

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日本を各国と比べると、所得の伸びも雇用の伸びも低い。特に雇用の伸びは著しく小さく、フランスと比べれば半分以下しかない。つまり、諸外国と比べると、日本企業は経済成長の果実を所得や雇用という形で労働者に配分していないということだ。言い換えれば、余計な正社員や人件費を抱えていないということを意味する。このような企業行動の背後に何かあるのかは、明らかだろう。バブル経済崩壊後に「債務」「雇用」「設備投資」の三つの過剰を抱え込んだことが、トラウマとなっているのである。そのため、日本企業は一時的に利益が出ても、それを労働者へ回すのではなく、内部に抱えようとしている。つまり、表面的には終身雇用・正社員重視とは言うものの、毎年、新卒を正社員として採用して育成していこうという姿勢は薄くなっているということだ。このような企業の現状を考えると、即座に正社員の過剰感を感じる企業はそれほど増加しないのではないかと思われる。バブル経済崩壊後は非正社員を増やす一方で、正社員は減らしてきたので「どうしようもないくらいに正社員がダブついている」という状態ではない。それに加えて、大企業などにはこれ以上正社員を減らすことへの懸念もある。バブル経済崩壊後、企業の多くは採用抑制をしてきたため、若い正社員が育成されていない。その一方で、団塊の世代が大量に退職している。その結果、正社員の年齢構成が非常に歪になっていることを懸念する経営者は多い。また、正社員を減らしすぎたため、仕事の知識・経験などが上手く継承されていないことへの懸念も根強い。こんな企業の現状を考えると、金融危機に直面したとしても、大企業を中心に企業の多くは当面、賃金カットという手段をとるのではないかと推測される。もちろん、正社員の解雇を前面に打ち出す企業も出るだろうが、それが多数派になるとは考えにくい。





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