労働力人口の高齢化と経済成長の鈍化の下で、企業の労働力の年齢構成はピラミッド型から、ズンドウ型になり、やがれ頭デッカチ型になる企業もでてくる。このような労務構成の企業が年功賃金の基になっている定期昇給をつづけていけばどうなるだろうか。定期昇給分に見合う、たとえば年々二上ニパーセントていどの生産性向上が確実に達成できることが保障されていれば良いが、それはこれからの経済環境を考えるとあまりにも楽観的だろう。
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そうした生産性向上の保障がない状況の下で、ズンドウ型や頭デッカチの労務構成であるにもかかわらず機械的に定期昇給をつづけていけば、やがて企業は立ち行かなくなることは目に見えている。かと言って昇給を全くやめてしまえば、従業員の勤労意欲は停滞してしまうだろう。したがって何らかの形で適切な賃上げはしてゆく必要がある。企業は新しい状況の下で大きな発想の転換を迫られているのである。一方、若年労働力が相対的に少くなり中高年労働力の比重が高まってゆくという状況の下では、これまでのように若年者に焦点を絞った採用の体制や教育・訓練、人材開発の体制も見直さざるをえないだろう。また、雇用管理もこれまでのように若年から育て上げた壮年男子労働力にもっぱら焦点を合せたやり方から、中高年齢者、女子、外国人、その他さまざまな条件の異る多様な労働力を適切・有効に活用する手法を開発する必要があるだろう。労働力の年齢構造の変化はそうした意味で日本の企業のこれまでの雇用、賃金、人材管理のあり方に根本的な変容を迫るいまひとつのメガトレンドの変化なのである。